2016年4月19日火曜日

2015年と2016年のJAL国際線特典航空券での度重なる改悪は何を目指しているのか

最近JALマイルを利用した国際線特典航空券では改悪が連続で実施されています。

影響の大きなものをいくつか具体的に見てみると、
2015年10月1日:
未発券状態での直前期のキャンセル待ち有効期限を最大7日間に制限

2015年11月1日:
JAL国際線特典航空券とワンワールド特典航空券のファーストクラスとビジネスクラスの必要マイル数が最大33%増加 

2016年9月1日:
国際線アップグレード特典の必要マイル数が最大25%増加

2016年11月1日:
キャンセル待ち可能枠数が50%減少
発券完了状態でのキャンセル待ち利用を全面廃止
国際線特典航空券の国内線区間の途中降機を全面廃止
といった形になっています。

こうしてみると、特典と交換するために必要なマイル数や空席の確保に便利なキャンセル待ち、さらには、 330日前から国内線を確保する方法としても利用できた海外発の国際線特典航空券の国内線区間の途中降機など、サービスの自由度や利便性が大きく制限されていますから、管理人同様改悪の実施を残念に感じる方も多いはず。

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しかし、改悪を行ったJALさんには別の意図があるのかもしれないと、管理人自身考えているのも事実です。

その意図とは、特典航空券を使いやすくする改良を実施するというもの。


なぜなら、2年連続の改悪でサービスとしての魅力や期待値が大きく減少してしまったキャンセル待ちも、別の角度から見ると改悪の実施によって、直前期のキャンセル待ちは強制的な取り消しによる新陳代謝が行われるようになった点で改善されているからです。

その新陳代謝の結果、これまでのように、出発直前の時期になっても発券されずにキャンセル待ちで確保されていた席がキャンセル待ち期限になってようやく開放されたものの、直前過ぎて利用できないという残念なケースが減少する可能性も高くなります。

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また、必要マイル数の増加も、特典利用のハードルを上げてしまうのは間違いないのですが、十分な分量のマイルさえ確保しているのであれば、争奪戦を競い合う競争相手の数自体が減少する効果もあります。

実際、最近の国際線特典航空券の空席状況を管理人がざっと確認して見た限りでは、例年よりも空席が簡単に見つけられるという印象を感じていますから。

もちろん、ゴールデンウィークやお盆期間を含めた夏休み、そして年末年始を中心とした冬休みといった繁忙期、そして一部の人気都市は難しさを感じるものの、それでもキャンセル待ち有効期限が厳しくなる89日前の直前期の便から順調に空席が見られるようになっている傾向も見られます。

特にファーストクラスやビジネスクラスは、2015年11月の改悪実施前の駆け込み需要の反動も一部あるとは思いますが、少ない必要マイルで予約可能限界だった2016年10月よりも後の日程では意外に多く空席が見られるなど、マイルさえあれば予約での自由度は向上しているという実感を持ち始めているのも事実。


つまり、JALさんとしては、
  • キャンセル待ちで死蔵してしまう座席を減らす
  • 必要マイル数増加で争奪戦参加者を限定する
といった方法で、常に特典航空券の空席在庫として提示できるボリューム自体を増やそうとしているのかもしれません。

そう考えると、330日前から国内線を確保する方法としても利用できた海外発の国際線特典航空券の国内線区間の途中降機の全面廃止も、純粋に国内線特典航空券として予約できる空席を確保する目的として納得できます。

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実際、こうした方針は、JALさんが投資家を対象に開示している経営計画のマイレージプログラムに関する項目でも、
  • 特典航空券の使いやすさの向上
  • 貯めやすく、使いやすいプログラム
  • 特典航空券をもっと使いやすく
といったキーワードが2015年度に引き続き、2016年度版でも明示されていますから、こうした傾向は継続されると管理人は考えています。

参考リンク:
JALグループ中期経営計画ローリングプラン2016を策定 
(2016年2月18日発表)
JALグループ中期経営計画ローリングプラン2015を策定 
(2015年2月18日発表)
JALさんより)


もちろん、空席に余裕が生まれたとしても必要マイル数が増えてしまうのであれば、利用できる回数が減ったり、上位クラスからより下位のクラスへの切り替えも必要になるなどのデメリットが気になる方も多いはず。

しかし、その対策としてなのか、最近は新たな会員特典として有効期限の延長が追加されています。

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今現在は、上級会員や年齢制限を満たした会員限定とはいえ、
JMBダイヤモンド(最上級会員):無期限
JGCプレミア(上級会員):無期限
JALカード navi(30歳未満の学生) :無期限
JAL CLUB EST(30歳未満のJALカード会員):5年
JMB G.G WAON(55歳以上の方):5年
というように通常の3年から有効期限の優遇は確実に広がっているのは間違いありません。

そう考えると、今後は段階的な大量のマイルを一度に使うために長くじっくりマイルを貯めたい一般の方向けが利用しやすいサービスとしてさらなる充実も期待できるかもしれませんね。


次回以降の記事では、2016年11月にキャンセル待ちの改悪までが実施された後の特典航空券予約戦略を管理人なりに考え、まとめてみたいと思います。




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