2016年1月3日日曜日

2016年4月にJAL国際線燃油サーチャージが廃止された時、どんなことが起こるのか


JALマイルを利用して国際線特典航空券予約を行っている管理人宅が最近気になっていることの1つに、2016年4月以降の燃油サーチャージ金額があります。

というのも燃油サーチャージ金額は、ジェット燃料価格の推移によって2ヶ月毎の改定が行われてきたのですが、2016年2月発表予定の2016年4月から適応される燃油サーチャージ金額の発表では、最近の尋常ではない原油価格の下落の影響で、燃油サーチャージ自体が廃止される可能性が高いと管理人は予想しているからです。

参考リンク:
国際線「燃油特別付加運賃」「航空保険特別料金」のご案内
国際線「燃油特別付加運賃」 改定の詳細
JALさんより)


では、燃油サーチャージが廃止なった時、どんなことが起こるのかが気になるのですが、その参考になる出来事が過去にもありました。

それが、2009年5月7日に発表された2009年7月1日からの燃油サーチャージの廃止です。

この時には、燃油サーチャージを決定するための2009年2月から4月までのジェット燃料価格が基準となる60米ドルを下回ったため、それまでの
韓国:200円 
中国・台湾・香港:500円 
グアム・フィリピン・ベトナム:1,000円 
タイ・シンガポール・マレーシア:1,500円 
インドネシア・インド・ハワイ:2,000円 
北米・欧州・中東・オセアニア:3,500円 
ブラジル:6,500円
という目的地ごとの設定から一律0円に改定されました。

管理人注:
上記の燃油サーチャージ金額は片道分を表したものです。そのため、仮に日本と北米を往復した時には、2倍の7,000円が燃油サーチャージとして必要ということになります。

ちなみに、燃油サーチャージの廃止は実際の利用者にとっては大きなニュースでしたが、JALさん側のお知らせとしてはとてもシンプルないつもどおりのスタイルなのは、違和感を感じたのも事実です。

とは言え、厳密には燃油サーチャージの制度自体が廃止になったわけではなく、ジェット燃料価格が再度上昇してしまった場合には、再度徴収が始まるルールでしたから、そうしたJALさんの対応も当然かもしれませんね。

実際、その3ヶ月後の改定になる2009年8月19日の発表では、ジェット燃料価格の高騰の影響を反映させる形で、
韓国:300円 
中国・台湾・香港:1,500円 
グアム・フィリピン・ベトナム:2,000円 
タイ・シンガポール・マレーシア:3,000円 
インドネシア・インド・ハワイ:4,000円 
北米・欧州・中東・オセアニア:7,000円 
ブラジル:10,000円として燃油サーチャージが再設定され、結果的には廃止前よりも高額な支払いが必要になってしまいました。

参考リンク:
国際線「燃油特別付加運賃」の廃止を申請(2009年5月7日発表)
国際線「燃油特別付加運賃」の再設定を申請 (2009年8月19日発表)
JALさんより)


そのため、2016年4月から燃油サーチャージが廃止になる場合でも、2016年2月頃にあっさりとしたお知らせがJALさん側から発表されるだけかもしれません。

とは言え、実際に燃油サーチャージが廃止された時の影響は意外に大きなものです。

具体的には、
  • 2016年4月1日以降発券時の燃油サーチャージの負担なし
  • 2016年3月31日以前発券分の燃油サーチャージ返金の可能性
という2つのメリットがあるからです。

1つめの、2016年4月1日以降発券時に燃油サーチャージの負担がなくなることは特に意識しないまま利用できるメリットです。

有償の国際線航空券でも、マイルを利用した国際線特典航空券でも、発券するだけでそれまで必要だった燃油サーチャージが請求されず、廃止されたメリットをしっかり活用できるわけですから。

ちなみに、2016年3月31日までの発券では、片道分として
韓国:300円 
中国・台湾・香港:1,500円 
グアム・フィリピン・ベトナム:2,000円 
タイ・シンガポール・マレーシア:3,000円 
インドネシア・インド・ハワイ:4,000円 
北米・欧州・中東・オセアニア:7,000円
という設定になっていますから、仮に2016年4月1日以降に燃油サーチャージが廃止になり、その廃止になった後のタイミングで発券した場合、1人につき最大で14,000円も安価に予約が完了できるということです。

参考リンク:
2016年2月1日から2016年3月31日発券分までの燃油サーチャージ金額
JALさんより)


それも燃油サーチャージ金額は大人だけではなく、小児や幼児も同額ですから、多人数での旅行ほど多くのメリットを実感できそうですね。


ただし、2つめの、2016年3月31日以前発券分の燃油サーチャージ返金の可能性は多少条件を満たす必要があるため、すべての利用者が対象になるわけではありません。

というのも、燃油サーチャージが廃止される前に発券した国際線航空券のすでに支払ってしまった燃油サーチャージは、第一国際線区間の変更が発生しない限り、返金されないというルールがあるからです。

とは言え、一般的に有償の国際線航空券では、普通運賃などの余程高額なものを除いて、第一国際線区間の変更は認められていないことが大半です。

そのため、実際には予約変更の自由度の高い国際線特典航空券でのみ利用可能なメリットと言えそうです。

ちなみに、この場合の返金は、国際線特典航空券の第一国際線区間を含む予約変更を行うだけで、自動的に返金金額が計算され、特別な手続きを行うことなくその金額が返金されます。

実際、管理人も何度か国際線特典航空券の予約変更を行う機会があったのですが、その際には、燃油サーチャージの差額分が支払い時に利用したクレジットカード経由で返金されるという経験をしています。

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もちろん、今後の原油価格の急激な変化やJALさん側の為替を含めたルール変更で2016年4月からの燃油サーチャージ廃止が実現しない可能性もあるだけではなく、廃止された期間の新規予約を行うことがなかったり、国際線特典航空券の第一国際線区間を変更することが難しく、実際にはメリットを活用できないという方も多くいらっしゃるかもしれません。

しかし、燃油サーチャージの変化は国際線利用者であれば意外に大きな影響を知らず知らずのうちに受けているものですから、頭の片隅にぼんやりとでも覚えておいて損はないと思いますよ。




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