2012年11月13日火曜日

ScanSnap iX500&S1500 VS 現行6機種?ドキュメントスキャナの6つの気になるスペックを比べてみた

今現在、富士通さんのScanSnap S1500を利用して、電子書籍自炊を楽しんでいる管理人ですが、購入を予定しているドキュメントスキャナに同じく富士通さんの新製品、ScanSnap iX500(FI-IX500)があります。

管理人作成の関連記事:
ScanSnap iX500(FI-IX500)は他のスキャナを過去のものにするのか?ScanSnap S1500後継機の威力を思い知った


さて、このScanSnap iX500ですが、電子書籍自炊用のドキュメントスキャナとして名高いScanSnap S1500の後継機で、さらに最新機種ということで、スペック的にも素晴らしいと感覚的には理解しているのですが、実際に他の機種と比べた時、どの程度異なるのかということが気になります。

そこで、今回の記事では、 ScanSnap iX500とScanSnap S1500に加え、2012年11月13日現在、現行品として新品購入可能なドキュメントスキャナから6機種を選択し、管理人が気になるスペックを中心に比較してみたいと思います。

その気になるスペックとは、 
1、スキャンスピード
2、トレイに搭載可能な用紙枚数
3、20万スキャンあたりの消耗品コスト
4、Adobe Acrobatシリーズ添付の有無
5、消費電力
6、大きさと重さ
6つ

また、比べる製品は、
・富士通さんのScanSnap iX500
・富士通さんのScanSnap S1500
・キヤノンさんのDR-C125
・エプソンさんのES-D350
・パナソニックさんのKV-S1026C
・パナソニックさんのKV-S1015C
・brotherさんのADS-2500W
・brotherさんのADS-2000
合計8機種です。

どの機種も2012年11月現在、実売価格が2万円台から4万円台を中心とした一般消費者向けのモデルになります。


参考リンク:
ScanSnap iX500 製品情報
ScanSnap S1500 製品情報
富士通さんより)

DR-C125仕様
キヤノンさんより)

ES-D350の仕様
エプソンさんより)

ドキュメントスキャナー KV-S1026C詳細スペック
ドキュメントスキャナー KV-S1015C詳細スペック
パナソニックさんより)

ADS-2500Wの製品情報
ADS-2000の製品情報
brotherさんより)


それでは実際に比べて行きましょう。

1、 スキャンスピード
スキャンスピードについては、実用的な利用を考え、管理人が実際に愛用しているカラーでの300dpi設定を元に比較してみます。

iX500 :25枚/分
S1500:20枚/分
DR-C125:15枚/分
ES-D350: 20枚/分
KV-S1026C:20枚/分
KV-S1015C:20枚/分
ADS-2500W:24枚/分
ADS-2000:24枚/分

この8機種の中では iX500が首位。それに続く形でADS-2500WとADS-2000が並ぶことになりました。
それ以外の機種はS1500も含め、それほど変わらない似たようなスキャン速度と言えますね。  


2、トレイに搭載可能な用紙枚数
続いて比較するのは、電子書籍化作業時の手間に影響を与えるトレイに搭載可能な用紙枚数です。この枚数が大きくなるほど、ドキュメントスキャナに追加の用紙を追加するために見守る必要が減少するため、利用していく上では意外に重要なスペックです 。

iX500 :50枚
S1500:50枚
DR-C125:30枚
ES-D350:75枚
KV-S1026C:50枚
KV-S1015C:50枚
ADS-2500W:50枚
ADS-2000:50枚

ES-D350が唯一、別格の搭載用紙枚数を見せることになりました。
この枚数の多さはそれだけドキュメントスキャナから離れることが可能な時間が伸びることを意味しますから、意外にES-D350の頑張りを重視する方も多いかもしれません。


 3、20万スキャンあたりの消耗品コスト
ドキュメントスキャナもいずれはメンテナンスが必要になる製品の一つといえます。
というのも、用紙を給紙するためのローラーなど、消耗品として交換が必須となっているためです。

 そこで、仮に20万枚の用紙をスキャンした場合の定価ベースでの消耗品コストを計算してみます。

iX500 :7,560円
S1500:20,370円
DR-C125:10,080円
ES-D350:13,440円
KV-S1026C:10,290円
KV-S1015C:10,290円
ADS-2500W:19,840円
ADS-2000:19,840円

ちなみに内訳は
iX500 : 7,560円
ローラーセット(7,560円。20万枚ごと)×1

S1500: 20,370円
パッドユニット(1,995円。5万枚ごと)×4
ピックローラユニット(6,195円。10万枚ごと)×2

DR-C125: 10,080円
DR-C125用 交換ローラーキット(5,040円。10万枚ごと)×2

ES-D350: 13,440円
給紙ローラーキット(6,720円。10万枚ごと)×2

KV-S1026C: 10,290円
KV-S1026C用ローラー交換キット(5,145円。10万枚ごと) ×2

KV-S1015C: 10,290円
KV-S1015C用ローラー交換キット(5,145円。10万枚ごと) ×2

ADS-2500W: 19,840円
分離パッド(1,980円。5万枚ごと)×4
分離ローラー(2,980円。5万枚ごと)×4

ADS-2000: 19,840円
分離パッド(1,980円。5万枚ごと)×4
分離ローラー(2,980円。5万枚ごと)×4
となっています。

ここでは iX500が何かの間違いじゃないかと思うような高コストパフォーマンスを見せつける結果になりました。
業務用のドキュメントスキャナからの技術をフィードバックした結果なのかもしれませんが、それにしても8機種の中で消耗品の必要金額が最も高いS1500と比較した時の差には驚くばかりですね。


4、Adobe Acrobatシリーズ添付の有無
電子書籍自炊を行うのであれば、Acrobat X Standardが手元にあるだけで、可能になる処理が大幅に増えるため、電子書籍自炊が快適になることに間違いありません。

そのため、特にこれから電子書籍自炊を始める方にとって嬉しいのがAcrobatの添付です。

iX500 :Windows版のAcrobat X Standardのみ同梱。
S1500:Acrobat X Standard同梱。Mac版はAcrobat 9 Pro同梱。
DR-C125:なし
ES-D350:なし
KV-S1026C:なし
KV-S1015C:なし
ADS-2500W:なし
ADS-2000:なし

こうして見ると、Acrobat X Standardをお得に入手したいと考えた場合、事実上 iX500か S1500どちらかの選択肢しか与えられていないことがわかりますね。


5、消費電力
省エネやエコな生活が求められて久しい現代だからこそ気になる消費電力も意外に重要なスペックです。
また、消耗品以外のランニングコストへの影響も、長時間利用するほど大きくなることも忘れるべきではないでしょう。

iX500 :
動作時:20W以下
 スリープ時:1.6W以下(USB接続&Wi-Fiスイッチオフ時)
       2.5W以下(Wi-Fi接続時)

S1500:
動作時:35W以下
スリープ時:4.5W以下

DR-C125:
動作時:最大12.7W以下 
スリープモード時:1.8W以下
電源オフ時:0.5W以下

ES-D350:
動作時:約45W 
レディー時:約13W
スリープモード時:約4.2W

KV-S1026C:
動作時:17W以下
レディ:4.5W以下
スリープ:1.6W以下
電源オフ:0.3W以下

KV-S1015C:
動作時:17W以下
レディ:4.5W以下
スリープ:1.6W以下
電源オフ:0.3W以下

ADS-2500W:
動作時 約20W
スリープ時 約2W

ADS-2000:
動作時 約18W
スリープ時 約1.5W

結果をみると、別格の消費電力を必要とするES-D350に続くほどの大食いだったS1500の35W以下からiX500では高性能になっていながら20Wへ改善とかなりの省エネ化が実現していることが分かりますね。

また、 DR-C125はスキャン速度こそ他の機種に比べ控えめなものになっているものの、消費電力自体はかなり優れたバランスを維持していることも、この結果から分かります。


6、大きさと重さ
最後に比較するのは大きさと重さです。
日常的に利用する場合でも、性能を維持したまま大きさと重さは負担が少ないほうが嬉しいのはどのユーザーも同じでしょう。

iX500 :292mm×159mm×168mm 3kg
S1500:292mm×159mm×158mm 3kg
DR-C125:300mm×217mm × 156mm 約2.6kg
ES-D350:303mm×202mm × 213mm 約5kg
KV-S1026C:303mm × 177mm × 137mm 約2.7kg
KV-S1015C:303mm × 177mm × 137mm 約2.7kg
ADS-2500W:299mm × 220mm × 179mm 3.6kg
ADS-2000: 299mm × 220mm × 179mm 約3.3kg

驚くことに、 iX500とS1500との間では、大きさがわずかにiX500の方が大きくなっているものの、重さへの変化は無いまま、機能向上が実現しています。

また、 iX500とS1500の3kgという重さも、ドキュメントスキャナの重さとしてはそれどど型破りなものではなく、同様に大きさも一般的な範囲にあるものといっても間違いないでしょう。

確かにコンパクトなドキュメントスキャナへの期待があるのも正直な気持ちです。

しかし、ポータブルタイプ以外のドキュメントスキャナでは性能を犠牲にした上での極端なコンパクト化は本末転倒でしょうから、現状のドキュメントスキャナらしいサイズでも十分と管理人自身は感じています。 



以上が管理人の気になる6つのスペックについて、8機種それぞれを比較してみた結果です。

管理人の素直な感想としては、iX500はスペックから見ても、S1500の弱点を1つずつ解消し、今後数年のドキュメントスキャナの基準を生み出すバランスの良い製品へと鍛え上げた結果だと感じました。

もちろん、発表直後ということもあって、 iX500購入は価格的に、モデル末期をむかえたS1500や、驚くべきディスカウント見せる他社製品に比べると割高に感じる部分も多いかもしれません。

しかし、長い時間利用することを考えた時、最も後悔がなく、おすすめしやすいと考えるドキュメントスキャナはiX500です。

実際、管理人自身も買い替えを検討しているだけではなく、もし、2012年の今、これから電子書籍自炊にチャレンジするのであれば、S1500を2台ではなく、 iX500を2台購入していただろうと確信しているくらいですから。


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